2008年3月8日土曜日

3シリンダ機関車

時間があったので鉄道博物館へいった. いつも何か発見があり楽しい.

国産の3シリンダ機関車C53の走り装置が置いてあった. 3シリンダ機関車は, 両側のシリンダは普通の蒸気機関車のとそっくりだが, 外から見えない台車の中央に3つめのシリンダーがある.

その中央のシリンダからはクランク軸になっている動輪に力を伝達する. 問題は中央の制御シャフトがどうなっているかであるが, 実に意外な構造であった. 両側の滑り弁を動かす制御シャフトが機関車の先頭の方へ突き抜け, それをリンクでつないで中央の制御シャフトを動かすのであった.

googleで探したら,
http://www.watercressline.co.uk/tw/pics/bitn2to1.jpg
にその図解があった.

こういう計算をしてみた. 一方の制御シャフトの動きをa, 他方のそれをb, 中央のそれをcとする.

a=sin x
b=sin (x+2π/3) = sin x cos 2π/3 + cos x sin 2π/3=-1/2 sinx + √3/2 cos x
c=sin (x+4π/3) = sin x cos 4π/3 + cos x sin 4π/3=-1/2 sinx - √3/2 cos x

これを眺めると a + b = -c とわかる.

たしかにベンツのマークのような, 120度ずつはなれたベクトルをa, b, cとすると, a+bはcと反対向きのベクトルになるから, 納得できる.

さて上の図解によると, 下のvalve spindle linkの動きをfulcrum pinを中心にして2 to 1 leverで上へ伝達する. その点を中心として, 上のvalve spindle linkの動きをequal leverで中央のvalve spindle linkへ伝えている.

従って, 下の動きをaとすると, 2 to 1 leverの上の動きは -1/2 aになる. 上の動きをb, 中央の動きを x とすると, bとxの平均が-1/2 aなのだから (x + b)/2 = -1/2 a. したがって x = - (a + b)となり, ちょうどcの動きとなっている.

すばらしい.

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