2012年2月23日木曜日

素因数探し

前回の素因数探しのブログ(1月23日)に「Edlerの作ったカードのセットはどこかに残っていないかしら」と書いた後, 探したら, factor stencilの画像はインターネットに存在した. 駄目元で探してみるものだ.

これ, 紙のカード?と思うが, その画像をコピーさせて頂く.





2004年にWashington D.C.のSmithsonian National Museum of American Historyの展示で撮影されたらしい.

1枚目の写真は, カードというよりは鳩サブレーのような厚みが感じられる. 2枚目のには文字がプリントしてあるが, それが読めないのが残念.


さて一方, 田中君と試作しようとしたstencil cardには, 2月3日に鎌倉のFabLabで再度挑戦した.

今回はこういう図を用意した.

これはR=2のプリントパターンである.



つぎはR=-1のカット用パターンだ.



今回試作するR=-1と2について, それぞれプリントパターンをカット用パターンを作った. とはいってもプリントパターンは, カード左上の見出しの数値だけが違う.

それぞれのパターンの四隅にある鉤の手は, 位置合わせのトンボだ.

まず多少厚手の白紙の中央に, プリントパターンを印刷する. 見出しの数値が2つあるのは, 内側のが完成したカードに残るもの, 外側がカット用パターンとの対を示す, 操作に安全を期すためのものである.

パターンを印刷した紙を, カッターマットに両面テープで張り付ける. しっかり止めないと, 精密な作業は出来ない. この結果, craftroboのカッターの刃先はマットにまで食い込むのである. また, 紙の端からトンボまで距離などを一応計測し, カットのソフトウェアに教える. そしてマシンをスタート.

craftroboはセンサーでトンボを位置を読み取り, 続いてカードの孔を切り始める. 孔が小さいから目にも止らぬ速さだ. ただ, どういう順にカットしているのか不思議である. 端から順に行くかと思うとそうでもない. そうこうしているうちに孔を切り終わり, 周囲を一周して終了する. この間約10分であった.

やってみると, カット圧力の調整が微妙なことが判明した. すなわち, 圧力が強いと孔から浮いたチップがカード上に散らばり, カッターの移動を妨害するのである. 従って, カットはするが, 紙片がはずれぬ程度の強さにしなければならぬ. そして, カッターが停止してから, ピンセットで孔を押し, 孔を開けることになる.

また反対に圧力が弱いと, 孔を手で押し開ける時に, きれいに切れないことになる. という次第で, 微妙であった.

また, トンボがあるにもかかわらず, カットした孔が, プリントした数字にきちんと重ならず, すこしずれ気味であったり, この辺の調整は難しいという経験をした.

カッターマットから外した紙からカードの形を抜き取り, カードの裏側(数字の印刷してない側)から, 孔を押し開ける. カードに約400個所の孔があるから, これも一仕事であった. (もちろん自宅へ戻ってからの仕事)

やはり, 計算機に接続されているIBMカードパンチを探さなければ.

完成したものは, 以下のとおり.





2月6日からローマで開催されたIFIP WG2.1の会合で, こんなもの作ったと見せたら, やんやの喝采を受けた. この作業では, SFCの田中浩也君に大変お世話になった. ありがとう.