2008年3月23日日曜日

中山道

以前から少しずつ歩いていた中山道533Kmも遂に京都三条大橋へ辿り着いた. (詳しくいえば草津宿から大津宿を経て三条大橋までは旧東海道) 一緒に歩いてくれた多田君, 寺田君, 岩崎君に感謝したい. 実はまだ日本橋から本郷東大前を通り埼京線板橋駅まで8Kmが残っているが, これは車やバスで幾度も通り, 勝手知ったる道なので, もう済んだようなものでもある.

中山道は人気があり, 解説書やウェブページも多く, 歩こうと思えば問題は少ない. われわれは「ボクたちが歩く中山道」を手引きにした. また歩き出してから気づいたが, 道中処々に赤いシールが貼ってあり, 分岐点などで重要な道案内になっていた. 誰が貼ったのか知らないが有り難かった.

トラックがびゅんびゅん走る国道を歩くこともあったが, だいたいは静かな田舎道で, スローライフそのものである. それと引換えに山道では, 宿泊場所が左程ない; 食堂は国道を横切るときに探すしかない; という制約があることも判明した.

それにしても春秋のよい季節にのんびり歩けるのは最高であった. 昔の人は16日で歩き通したらしいから, 1日あたり33Km程度の速さである. これではのんびり歩く気分ではなかったを思われる. (中山道最大のイベント和宮東下でも25日) われわれは半日行程では10~15Km. 1日行程では20~25Kmであった.

昔と違うのは電車線と併走している場合, 草臥れると最寄駅から電車で宿泊地へ向かい, 翌日また電車で戻って歩き出せたことであった. 追分~下諏訪, 大井~太田のような山道区間を除けば行程はかなりフレキシブルであった.

自治体により中山道の周知は様々であった. 「歴史の道 中山道」の道標が立っているところもあれば, 全く無関心な町もあった. 中山道の保存にもっと尽力して欲しいものである. 中山道を歩く人がさらに増えるように.

2008年3月12日水曜日

3シリンダ機関車

前回書いた3シリンダ機関車の中央シリンダの制御シャフトの続きで, リンク機構はベクトルで考えると明瞭なことが分かった.

120度づつ離れたベクトル a, b, cがある. aに2 to 1 leverを接続すると, 相手の端は逆向きで大きさが半分のベクトル a'になる. これはちょうどbとcの中間なので, a'を中心にしたbの動きはちょうとcになるわけだ.

2008年3月8日土曜日

3シリンダ機関車

時間があったので鉄道博物館へいった. いつも何か発見があり楽しい.

国産の3シリンダ機関車C53の走り装置が置いてあった. 3シリンダ機関車は, 両側のシリンダは普通の蒸気機関車のとそっくりだが, 外から見えない台車の中央に3つめのシリンダーがある.

その中央のシリンダからはクランク軸になっている動輪に力を伝達する. 問題は中央の制御シャフトがどうなっているかであるが, 実に意外な構造であった. 両側の滑り弁を動かす制御シャフトが機関車の先頭の方へ突き抜け, それをリンクでつないで中央の制御シャフトを動かすのであった.

googleで探したら,
http://www.watercressline.co.uk/tw/pics/bitn2to1.jpg
にその図解があった.

こういう計算をしてみた. 一方の制御シャフトの動きをa, 他方のそれをb, 中央のそれをcとする.

a=sin x
b=sin (x+2π/3) = sin x cos 2π/3 + cos x sin 2π/3=-1/2 sinx + √3/2 cos x
c=sin (x+4π/3) = sin x cos 4π/3 + cos x sin 4π/3=-1/2 sinx - √3/2 cos x

これを眺めると a + b = -c とわかる.

たしかにベンツのマークのような, 120度ずつはなれたベクトルをa, b, cとすると, a+bはcと反対向きのベクトルになるから, 納得できる.

さて上の図解によると, 下のvalve spindle linkの動きをfulcrum pinを中心にして2 to 1 leverで上へ伝達する. その点を中心として, 上のvalve spindle linkの動きをequal leverで中央のvalve spindle linkへ伝えている.

従って, 下の動きをaとすると, 2 to 1 leverの上の動きは -1/2 aになる. 上の動きをb, 中央の動きを x とすると, bとxの平均が-1/2 aなのだから (x + b)/2 = -1/2 a. したがって x = - (a + b)となり, ちょうどcの動きとなっている.

すばらしい.