2016年2月3日水曜日

菱形六十面体

菱形六十面体についてこのブログで何度も取り上げた. その最初, 2010年5月16日のに「角D'B'E'は黄金菱形なので, 黄金比φ=1.61に対して2cot-1(φ)=63.435°である. その一端を持ち上げると, 角DBEは少しずつ広がり, 72°になるわけだ. その時の傾き角を計算すると, 驚いたことに31.7175°であった. 」と書いている.


長い間 気になっていたが, 先頃 証明した. 図を見てほしい.

図の下は破線のAD'B'E'が縦1, 横φの黄金比の菱形である. 実線のADBEは角Aが72度で縦が1の菱形である. この横の対角線の長さを以下eとする. 黄金比の方の角Aの半分は31.7175°である.

図の上の直角三角形は底辺が下の実線の菱形の横の対角線, 斜線が黄金比の対角線で, これを描いてみると角Aがやはり31.7175°になるのである. この角を以下θとする.

証明したいのは, 上の31.7175°, つまりcos θ=e/φが下の31.7175°, つまりtan 2/φに等しいということである. 一連の計算は下の通り.


φの値はよく知られている. tan 36°はcos 36°がφ/2 から計算できる.

(0)上の図のθが欲しいので, atanの式を書く. 以下atanの引数を計算する.

(1) φとeの値を代入する. (2)根号の中, 第1項を展開し, 第2項の分母を有理化する. (3)根号の中を通分し, 1/eの値を書く.

(4)根号の中の分子を計算する.

(5)根号の中, 分母分子を2倍すると, 分母分子とも開平出来た.

一方 1/φも計算すると(6)(7)同じ値になった. めでたしめでたし.

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