2010年10月22日金曜日

Maxwellの面積計

面積計の歴史をウェブで探すといろいろ見つかる. それを読むと, 円錐(cone)がどうのこうのと書いてあったりする. 面積計の基本知識として, このブログでは円錐の機能を説明しよう.



この図は, Johannes Oppikoferの面積計といわれるものである. Maxwellのと違い, 台枠は固定されていて, 手前にある針を前後に動かすと, その支持腕が伸び縮みし, また腕を左右に動かすと, 支持腕とその右にごちゃごちゃ見える機構が一緒に左右に動く.

ごちゃごちゃの機構の中央に横倒しになった円錐が見える. 円錐は, 機構が左右に動くと, その幅に従った角度だけ水平の軸の周りに回転する. また円錐の上方に, 立っている文字盤があり, その下に小さい円板があって, 円錐に接している. この円板から上は, 支持棒の前後の動きと連動しており, 針が奥に行くほど円板は円錐の頂点に近いところで円錐に接するようになる.

つまり, 針が左右に dx 動くとき, 円板, つまり文字盤の回転する量 dφ は, 針の奥からの距離 y に dx を掛けたものに比例するわけである.



というわけで, 面積計になるのだが, 針を前後に動かす時, 円板が円錐面を横車を押すように動くのが, Maxwellたちの気に入らなかったようである. たしかに, Maxwellの半球と全球の機構はそうなっていない.

また, 円錐の母線が奥の方では低くなるので, 円板や文字盤の高さを変えることも考えなければならない.

Oppikoferの面積計は, 1827年に考案され, 1836年にパリで制作, 販売されたそうだ.

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