2010年4月9日金曜日

千鳥格子

千鳥格子のコートを着た人を見かけ, 組木細工を思い出した. 数年前に飛騨高山で求めたものだ.



Escherの不思議な絵ではないが, どう出来ているか考えたくなる. 実は予想通りで,


のように, 通常なら幅の1/2だけ削れているほぞが2/3削れている. 最後の1本は1/3だけ削れている(一番下).

図で描くと



上から見たのが 図aである. 交互に上下になって外れそうもないように見える. それぞれの棒にAからFまでの名前をつける. A,B,Cをの下方から見たのが図bで, D,E,Fを右方から見たのが図cである. (第三角法風に描いてある.) 図cに見るようにEはほぞが1/3で, 他の棒は2/3である.

机の上にBを置く. そのほぞに合うように, DとFを載せる. さらにその上にAとCを載せる. 図aに見るように, 確かにA, CはD, Fの上にあり, D, FはBの上にある. そのA, Cの上にEを載せ, それが一番下のBの下をくぐれるであろうか.

この状況で, 一番下のBをつり上げてみる. すると図eで分かるように, F(とD)は, Bより1/3だけ沈む. さらにAとCは, F(とD)より1/3だけ沈む. 従って図dで分かるように, BとCは2/3だけずれ, その間に幅1の穴があくのである. そこにEを滑り込ませればよい.

私の持っている千鳥格子は, このPostscriptの図ほどは正確ではなく, 2/3より多く削れている. だから最後にEを通すのは結構簡単である.

もっと本数が増えても, 理屈は同じだ. 図aで, A, C, D, Fを基数番目, B, Eを偶数番目とし, まず横の偶数番目を置き, 次にその上に縦の奇数番目を載せ, さらにその上に横の奇数番目を載せ, 横の偶数番目を一斉に持ち上げれば, 縦の偶数番目を差し込む穴が出来る. そこへ縦の偶数番目の棒を差し入れればよい.

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