6月12日の朝日新聞の夕刊に, 昭和基地で撮影した「幻の日の出」なる写真が出ていた. 南極は白夜と反対で極夜の最中だが, 地平線の直ぐ下にいる筈の太陽が蜃気楼で地上に見えたという図である. 地平線の下ですれすれだとそういうことも十分ありうる.
遥か昔「南極のスコット」という映画を見た. Scott隊が南極からの帰途, 全員遭難した話である. (http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Falcon_Scott) その後極夜になり, 冬至が近づいて再び太陽が戻り, 捜索隊によって遭難の様子が判明する話だ. アナウンスでは「太陽が戻ってきた」といったと記憶するが字幕には「夏が来た」とあった.
北半球の夏は南半球の冬だというのか, 南半球の冬は暑く, 夏は寒いというのか浅学にして知らない. (私は後者の説を支持する.)
夏至は24節気の1つ. 森口繁一先生の「数理つれづれ」に24節気間の時間の図がある. 先生が描かれた方法は分からぬが, 同じようなものを描いてみた. 本年の24節気の月日時分を天文年鑑から取り込んだのが以下のデータである.
( 0 22 15 8 '冬至) ( 1 6 8 25 '小寒) ( 1 21 1 44 '大寒)
( 2 4 20 0 '立春) ( 2 19 15 50 '雨水) ( 3 5 13 59‘啓蟄)
( 3 20 14 48 '春分) ( 4 4 18 46 '清明) ( 4 20 1 51 '穀雨)
( 5 5 12 3 '立夏) ( 5 21 1 1 '小満) ( 6 5 16 12 '芒種)
( 6 21 8 59 '夏至) ( 7 7 2 27 '小暑) ( 7 22 19 55 '大暑)
( 8 7 12 16 '立夏) ( 8 23 3 2 '処暑) ( 9 7 15 14 '白露)
( 9 23 0 45 '秋分) (10 8 6 57 '寒露) (10 23 10 9 '霜降)
(11 7 10 11 '立冬) (11 22 7 44 '小雪) (12 7 3 2 '大雪)
(12 21 21 4 '冬至)
これをユリウス日を計算するプログラムに入れ, 差を取ると(単位は日)
14.720139 14.721527 14.761112 14.826389 14.922916 15.034028
15.165278 15.295138 15.425001 15.540277 15.632639 15.699306
15.727778 15.727777 15.681251 15.615277 15.508334 15.396528
15.258333 15.133333 15.001388 14.897917 14.804167 14.751389
となり, これをpostscriptで図にする.
地球の軌道が真円でないので, 太陽が(地球が)黄道上を移動する時間が変わるからだ. ところで夏至では昼間の時間が一番長いが, 日出, 日入が一番早く, また遅いのは夏至の日ではない. この説明は情報処理学会誌45巻3月号の編集系独白に書いたので, 読まれた方もあろう.
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