2008年5月28日水曜日

火星

火星探査機がパラシュートで降下するのを, 他の火星周回衛星から撮影したニュースには驚いた.

いかにも画面を眺めて, 今だ! とシャッターを切ったかのようなシーンだが, そんなことは可能だろうか.

火星は昨年12月に衝の位置(火星, 地球, 太陽の順に並ぶ)にあり, 地球, 火星間の距離は0.6天文単位, 今年12月に合の位置(地球, 太陽, 火星の順に並ぶ)になり, 2.6天文単位だ. 今はその中間で, 多分2天文単位くらいであろう. 1天文単位は光で8分ちょっとの時間なので, そう考えると画面を眺めて地上から制御するのはまったく無理と分かる.

NASAのページを見ると, やはりフェニックスの軌道情報を送り, プログラムで制御して撮影したとあった. それにしても相当な離れ業である.

Camera pointing for the image from HiRISE used navigational information about Phoenix updated on landing day. The camera team and Phoenix team would not know until the image was sent to Earth whether it had actually caught Phoenix.

さらに普段は火星に向けて下を向いているカメラを, 斜め方向を撮影するため, 衛星の向きも変えたという. 見事な写真が送られてきたときの, 担当者の喜びが想像できる.

0 件のコメント: