IEEE Specturm 09.20を眺めていたら, AxidrawというXYプロッターの記事があった. それに下のような図があったので, その機構を考えてみた.
中央に左右に広がる基盤があり, これは固定されている. その左端と右端にそれぞれモーターと同軸で回転するプーリーがある(L, R). 縦に長い板は, 縦方向を保ったまま, 上下左右に移動し, 下に自由に回転するプーリーMがあって, その辺りに上げ下げできる筆記具がある. それでXYプロッターになるわけだ.
3個のプーリーは, 中央の4個の補助プーリーを介して1本のベルトで結ばれており, ベルトの最後は, 縦の板の上端である.
まずLを固定し, Rの周囲が長さaだけ右回転したとする. その際, 縦の板が上下だけに動いたとすると, 上端に左側のベルトもaだけ弛むが, Lが回転しない約束なので, その弛みは上下の板を右へ移動して吸収することになる.
というわけで, Rがaだけ回転すると, 上下の板は右へa/2, 下へa/2だけ移動する. そうすると, 右上部分のベルトは, x1もy1もa/2だけ短くなり, Rはaだけ回転し, 右下部分ではx1はa/2短く, y0はa/2長くなるので, Rから出たaはMを回って左下へ行く.
左上はy1がa/2短く, x0がa/2長くなるから, 予定通りLは回転しない. 左下はx0もy0も伸びるが, その分だけMから貰うので万事うまくいく.
つまりRの右回転は上下板を右下へ移動させ, 左回転は左上へ移動させる. 同様にLの左回転は上下板を左下へ移動させ, 右回転は右上は移動させる.
左右だけの移動, 上下だけの移動は, LとRの回転を合成すればよい.
なるほどうまい仕掛けであった.
2020年10月1日木曜日
XYプロッター
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