2020年10月1日木曜日

XYプロッター

 IEEE Specturm 09.20を眺めていたら, AxidrawというXYプロッターの記事があった.  それに下のような図があったので, その機構を考えてみた.

中央に左右に広がる基盤があり, これは固定されている. その左端と右端にそれぞれモーターと同軸で回転するプーリーがある(L, R). 縦に長い板は, 縦方向を保ったまま, 上下左右に移動し, 下に自由に回転するプーリーMがあって, その辺りに上げ下げできる筆記具がある. それでXYプロッターになるわけだ.

3個のプーリーは, 中央の4個の補助プーリーを介して1本のベルトで結ばれており, ベルトの最後は, 縦の板の上端である.

まずLを固定し, Rの周囲が長さaだけ右回転したとする. その際, 縦の板が上下だけに動いたとすると, 上端に左側のベルトもaだけ弛むが, Lが回転しない約束なので, その弛みは上下の板を右へ移動して吸収することになる.

というわけで, Rがaだけ回転すると, 上下の板は右へa/2, 下へa/2だけ移動する. そうすると, 右上部分のベルトは, x1もy1もa/2だけ短くなり, Rはaだけ回転し, 右下部分ではx1はa/2短く, y0はa/2長くなるので, Rから出たaはMを回って左下へ行く.

左上はy1がa/2短く, x0がa/2長くなるから, 予定通りLは回転しない. 左下はx0もy0も伸びるが, その分だけMから貰うので万事うまくいく.

つまりRの右回転は上下板を右下へ移動させ, 左回転は左上へ移動させる. 同様にLの左回転は上下板を左下へ移動させ, 右回転は右上は移動させる.

左右だけの移動, 上下だけの移動は, LとRの回転を合成すればよい.

なるほどうまい仕掛けであった.



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