2013年5月13日月曜日

閏月

前回のブログの切っ掛けはCalendrical Calculationsに9,10,11,1月の閏は稀で, 12月の閏はほとんどないと書いてあったことだ.

これは前回のブログのような理由によるが, Aslaksenが1654年から2644年まで1000年の中国の太陰太陽暦を計算した結果もある. 日本と中国とは標準時が違うので, 節気の時刻が1時間違い, 多少は異なるかもしれないが, とにかくよく計算したものだ.

この閏月の頻度に関連した図がCalendrical Calculationsに載っている(p.249). たいした情報はないと思われるが, 気になるのでその説明をしたい. 下の図は私流に書き直したが, 実質的には同じである.



Calendrical Calculationsの図には上半分しかなく, 右上向きの斜めの線と上の12→1→...の右向きの線は破線. 更に閏月の頻度に従い, →閏11→, →閏1→, →閏9→, →閏10→は灰色, →閏12→はもっと淡い灰色にしてある. またその斜めの破線にその閏月の起きる確率が併記してある.

閏11月 0.005
閏12月 0.000
閏 1月 0.006
閏 2月 0.023
閏 3月 0.047
閏 4月 0.061
閏 5月 0.074
閏 6月 0.059
閏 7月 0.051
閏 8月 0.026
閏 9月 0.008
閏10月 0.009
横向きに1年の時間軸がある. 朔の字の下の縦線が朔の時刻で, それで区切られる短冊型がある暦月だ.

左端の暦月に11と書いてあるから, この間に冬至があるはず. 短冊の下の斜め線は冬至が11暦月の最初にあるか(左上)最後にあるか(右下)を示す.

冬至が11月の最初にあれば, その後の中気はその位置から右に辿った線上にあるはずで, 大寒は次の暦日の始まる翌日くらいにあり, 雨水はさらに次の暦月の2日目くらい, 冬至はだいぶ先の(右から2番目の)暦月の12日目くらいになる.

この場合にはどの暦月の下にも斜め線が存在するから, 閏月はなく, 月名は短冊の下の矢印を右に辿るようにすすむ.

冬至が斜め線の右下, つまり11暦月の最後の日だったらどうか. 大寒は「次の次」の暦月の最初になり, 「次」の暦月は閏月になる. 中気のない部分をこの図では灰色の帯で示す.

これが上の短冊で11から閏11へ向かう斜め矢印になり, その年は11月, 閏11月, 12月と進むことになる.

ある年はこの下の斜め線のある高さを左から右へすすみ, 途中で灰色の帯に遭遇すると, そこが閏月になり, 上の矢印は斜め右上方向へ進み, 13ヶ月の年になる. 灰色に出会わなければ12ヶ月だ.

図から分かるように, 閏月があるのは斜め線の領域の下の方だけで, その幅は7/19に対応するわけだ.

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