2026年10月9日金曜日

復活祭の簡易計算

私とほぼ同年代の天文学者 堀源一郎さん(1930-2023)が提案 した簡易 月齢計算法がある. 以下「鬼鬼西」という.

私はこれを活用して, 復活祭の日取りを「簡易」計算することがよくある. こ れとは別に, 正式の復活祭の日取り(Computus Paschalis)は, 教会暦によ りその年のgolden number(黄金数), epact(歳首月齢), paschal moon(春 分満月),と次々に求めて計算するのだが, 鬼鬼西で計算するのとかなりよく同じ になる. しかし本当にいつも一致するかという一抹の不安もあり, この2つ の計算法がどの程度一致するかを調べたのが今回のブログの話題である。

これは私の自作の予定表の表紙にある数表である. 上は曜日を, 下は月齢 を計算するためのものである. 中央の12個の数は, 月定数. 左か ら1月,2月, ..., 12月に対応する. 両端のは年定数. 左は今年の, 右は来年のためのもの だ.


私としては, この表, これらの定数はは諳じていて, 自家薬籠中の物に なってはいるが, 毎年 予定表の定位置にに鎮座している.

例えは, 今年の3月21日の月齢は, (11(今年の年定数)+0(3月定数)+21(知りたい日))=32. 30を 越えているから30を減じて2になる. 1日後の22日は3, 2日後の23日は4, ...n日後 の21+n日は2+nだから, 月齢が14になるnは12で, つまり3月33日, 4月2日である.

4月2日の曜日は(1(今年の年定数)+8(4月定数)+2(知りたい日)=11. 7を超えているから 7を引いて4, つまり木曜である. この後の最初の日曜は, 3(金), 4(土), 5(日)だから, 今年 の復活祭は4月5日であった.

一方, 教会暦による方は, 2026年の黄金数が13; 次にExtended Table of Epactsで, 2000年台 で黄金数が13に対するepactを見ると11; さらにGregorian Calendar of Epactsで3月 を見ると, 11は20日のところにある. これがnew moonの日(月齢1)なので, これに13を 足してfull moonは, 3月33日, つまり4月2日と得られる. よって復活祭は4月5日.

今年は鬼鬼西の満月も, 教会暦の万でも同じ日になった. これをプログラムで計算できる ようにし, (教会暦の方はTAOCP演習問題1.3.2-14ののアルゴリズムを使った)2000年から2049年まで 両者(満月の日)を描いたのが, 次の図である.


左端に年を示す. 上端は春分満月の起きうる日付で, 左端が3月21日; 右端が4月18日である.

毎年のの鬼鬼西の満月を緑の四角, 教会暦の満月を赤の四角, 両者が同じ日の時は灰色の 四角で表示する. それぞれの年に 7日ごとに置いた短かく黒い太線は, 土曜と日曜の境を 示す. 右の欄外は, 教会暦の満月から計算した復活祭の日付けで, さらにそに右の星印 は, その年は, 鬼鬼西と教会暦から計算した復活祭の日取りが違う, つまり一抹の不安 が的中することを示す.

両計算の不一致は, この50年間に7回見えるが, それは次の場合である.
簡易計算の満月が3月21日になる. 2000,2019,2038
簡易計算の満月が日曜になる. 2018,2022,2042,2049
2025年, 2045年など, 日曜でも教会暦の方も日曜になるから, 両者は同じに なり, 復活祭も同日になるから, 簡易計算の満月が日曜ならすぐに駄目と いうわけでもない.

今のところはこのような結論で, 鬼鬼西も結構頑張っていることが分った. さらに 詳細な検討は, またの機会にしよう.

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