ところで八方睨みとは, この猫をどの方向から見ても, 猫は見られている方を向いているように見えるということである. このチラシを, 右左に傾けても, 上下から眺めても, 確かに視線はこちらを向いている.
実はこの猫だけでなく, 多くの肖像画の目付きも, 大体はこうなっている.
歩きながら月をみると, 歩くにつれて, いつまでも月が付けて来るように, 絵の前を通り過ぎても, 肖像の眼の視線はずーっと自分を追ってくる. 私は若い頃は, これを不思議に思っていた. また, それについて, おそらく黒目が眼の中央にあるからだろうと想像してた.
大学院生の頃, 研究室でこれが話題になったことがあり, 高橋秀俊先生は「黒目が真ん中だから」とこともなげにいわれ, 私としては, 決着がついている.
この猫の黒目は, 上下左右の真ん中にある. 従って四方八方を睨むことになる.
私は, ご存じのようにPostScriptで絵を描くのが大好き人間だ. で, さっそくやってみた. それぞれの絵では, 上から黒目が右より, 中央, 左よりに描いてある. やはり中央のが八方睨みに見える.
横方向から見ても, (つまり横方向を縮小しても)
のようになろう. 真昼の猫の眼のように, 細くなっても同じだろうか.
