2008年7月9日水曜日

箱根登山電車のスイッチバック

「箱根の山は天下の険」へ行ってきた. あいにく停滞中の前線のせいで, 「雲は山をめぐり 霧は谷をとざす」という状態であり, 景観は今一つであった. まぁ議論の合宿なので, 景観はどうでもよい.

合宿からの帰路, 箱根登山電車で下山した. あじさい電車としてこの季節に有名で, 1万株といわれるあじさいは, 時として車体に触れるほどであった.

この線は名前通りに急勾配の登山電車で, 全線単線. またスイッチバックでも知られている. スイッチバックは昔は中央本線にも数多くあった. 甲府より東京側と甲府以遠とで, 構内配線の基本構造が違っていたが, 電車列車が多くなり, スイッチバックの駅も激減した.

スイッチバックと単線の駅構内配線をおさらいする.


スイッチバックには通過型と折り返し型がある. 図(A)は通過型で, 細い横線は上が低く, 下が高い等高線を示す. 太いのが線路だ. 通過型では, 坂を登り降りする通過列車はスイッチバックを無視し, LからHへ, またはHからLへ直進する. この駅(または信号所)に停車する列車は, Lから来た場合, 図の右方の行き止まり線へ進入し, 左方の行き止まり線へ逆行する. いずれかの行き止まり線にホームがある. その後H方向へ出発する. この型のスイッチバックは, 停車中の列車を引き出すのに, 水平部分の線区が必要ということで設けられた. 折り返し線は等高線に沿っている. 行き止まり線に入ったり, 逆行したりで面倒そうにも思えるが, ボッボッボーと逆行の汽笛を鳴らし, いとも簡単に戻り始める列車を楽しめた.

中央線のはこの型であった. 残存するのの1つに篠ノ井線の姥捨駅がある.

図(B)は折り返し型で, 全列車が, 折り返し線を使って登り降りする.

箱根登山鉄道とともに山岳鉄道の代表であった草軽電鉄の上信両州の境, 国境平駅のすぐ北に二度上という駅があった. 坂が急なので, 荷物を半分にし, 2回に分けて上げたという地名であるが, 草軽電鉄も二度上で折り返し型スイッチバックした.

この度の箱根登山線では, 金魚ばちといわれる運転席の後に陣取り, 箱根登山の線路の様子を見てきた. この線には, 両終点を除き, 信号所も含めて, 通過型の駅と折り返し型の駅がある. 折り返しがスイッチバックを兼ねる. それらは図に示すと, 通過型は図(A), 折り返し型は図の(B), (C)であった. (B)と(C)は左右が逆なだけで, 機能的には同じと見てよい. (B)は上大平台と出山の信号所, (C)は大平台であり, 彫刻の森の他は, 仙人台信号所を含めてすべての通過型の駅の構造は(A)である. (D)については後述する.

Hは山の上(強羅)側, Lは下(湯本)側である. 図にはポイントがいくつも示してあり, 脇にSとあるのは, スプリング型のポイントで, 定位の方の線がつなげて描いてある. つまり対向に進むとき(進行方向へ分岐している)は, 実線がつながっている方向へ進行する. 背向に進むとき(左右からの線路が合流する)は, 線が切れていても(ポイントが反対を向いていても), 列車は車輪のフランジで無理に押し分けて進む. 列車が去った後, スプリングにより, ポイントは定位に戻る.

線路の横にある短い実戦はホームのつもり.

さて(A). 山から降りてきた列車は, 対向のスプリングポイントで左へ分岐し, 上り列車用のホームへ進入する. 下から登ってきた列車も, 同様に左へ分岐し, 下り列車用のホームへ進入する. 駅の構造は, 進入してくる列車が入れる方を定位とする.

出発すると, 再び単線区間に入るので, 通常は出発方向の先に安全側線が設けられるが, どの駅も下向きにしか安全側線はなかった. あえぎながら登ってくる列車は, 暴走して通過する心配はないと考えたのであろうか.

折り返し型の駅の構造も面白い. 原則として, 進入する列車は渡りを通らず直行する. 上り下りの列車が同時に進入できるためであるのはいうまでもない. この構造だと, 駅から出発する両列車は, 同一区間を同一方向に走ることがあるので, その先のポイントの転轍操作は必要になる.

2つのわたり線はなぜダイアモンドクロスになっていないかと不思議に思うのは当然だ. そうすると図(B)を描きなおした図(D)のように4つのポイントはすべてスプリングにすることが出来るからである. つまりHからの列車は最初の対向ポイントSを直進, 次の背向ポイントでも直進, ホームに入る. 逆行してからは, 最初の対向ポイントで渡り, 次の背向ポイントでL方向へ入る. Lからの列車も同様である.

このことは昔石本祐吉君と話したことがあり, その後石本君が出版した「鉄のほそ道--写真で綴る線路の話--(アグネス技術センター 1996)」でも触れられている. 石本君の解釈は, ダイアモンドクロスは, 揺れがひどく, それを避けたのかも知れないというのである.

2008年7月2日水曜日

Lisp 50歳

織田信長の 人間五十年 下天のうちを比ぶれば 夢まぼろしの如くなり は有名だ. ところで最近計算機のまわりで50年を迎えるものが目立つ.

パラメトロン計算機 PC-1 は今年3月26日に完成50年を祝った. 来年1月のプログラミング・シンポジウムは第50回だ(49年ということ). 同じく1960年に設立された, 情報処理学会も50周年の事業を準備中と聞く.

ところで今度は本年10月20日に, Lisp50歳の誕生日を祝うというニュースが来た. 計算機に比べて, プログラム言語はいつが誕生日か判定が難しいところだ. 上のニュースによると, 1958年10月にMcCarthyが発表した論文にLISPという名前が始めて使われたとある. 20日というのは, 丁度そのころOOPSLAが開催されているかららしい.

McCarthyのLispの論文といえば, Recursive Functions of Symbolic Expressions and Their Computation by Machine, Part Iが知られていて, CACM, 1960年4月号に載ったもので, McCarthyのウェブページにも, This was the original paper on LISPと書いてある. これはそのウェブページからダウンロード出来る. しかしこれが1958年10月に出た論文と同じかは不明である. 似たような論文がいくつかあるからだ.

1958年の11月頃, 私はMITを訪れた. その折, MITに滞在中の藤村先輩から面白いからといってMcCarthyの論文を渡された. それがひょっとして1958年10月の論文かも知れないと思っている. (CACMに載った論文の紹介は, 情報処理学会誌44巻3号にある.)

最近あまり聞かなくなった, Algolも最初に発表されたのは, 1958年であったから, 同様にお祝いされてもいいはずだが, すぐに改良版Algol 60としてより広く知られるようになり, Algol 58の名前を覚えている人は少ない. そのAlgol 60も今や風前の灯火で, AlgolはJISからも抹殺された. しかしAlgol 60の精神はScheme(の特にRevised Report)に受け継がれている.

OOPSLAの会議では「next 50 years of Lisp」についても議論するという. 50年後も夢幻にならずに使われているだろうか.

2008年6月30日月曜日

高橋先生

堀口大学の詩に

「待つ間の長さ 会う間の短さ 時のおなかは蛇腹です」

のようなのがあったと思う.

今日は6月30日 茅の輪くぐりの日だ.

ことしは月曜だが, 1985年と2002年の6月30日はともに日曜であった.

1985年6月30日は高橋秀俊先生が, 2002年6月30日は高橋延匡先生が他界され, 私にとっては忘れられぬ日だ.

どちらもつい先日のようだが, それからそれぞれ23年と6年が経った.

高橋秀俊先生は1985年1月末に体調をくづされ, 入院生活を送られた. 始めの頃はこの病室からは電車がよく見えてということだったが, 段々と重体になられ, 亡くなる前日, 私を病院に呼ばれた. 小さい声でいろいろ話された. 翌日夕方, 逝去されたと電話を受け, 雨の中, 病院に向かった.

その辺のことは, コンピュータソフトウェアの2巻4号に書いた.

高橋延匡先生の方は急であった. 3月の情報処理学会の全国大会でお目にかかったと記憶するが, あっという間のご逝去であった. HITAC5020やアクレディテーションの活動など, 一緒だったので, 残念なことであった.

ちょうど学会誌の編集長だったので, 会誌にこう書いた.

元副会長 拓殖大学教授 高橋延匡先生, 二豎膏肓に入って療養ご専念中とかねてより聞き及びおりしところ, 紫陽花雨に打たるる6月30日, 不帰の客となられる. 無念千万. 翌7月1日は満69歳の誕生日のはずであった. OSの開発に, 情報の教育に, またアクレディテーションの準備にと終始真摯に立ち向かわれた先生のお姿は永く語り継がれよう.

今日は梅雨の晴れ間, 今年の紫陽花はすでに色あせているが, 毎年6月30日になると, 故人を偲ぶことにしている.

2008年6月25日水曜日

夏至の日に

今年の夏至ももう過ぎた.2至2分の中では私の一番好きな日だ. (2至2分 = 夏至, 冬至, 春分, 秋分 これらの英語は難しい. summer solstice, winter solstice, vernal equinox, autumnal equinox) 今の家では, 6月になるとどこからか郭公が来て, 近くの高い木やアンテナの上で鳴く. この2年くらい郭公を聞かなかったが, 今年は何日か鳴き声が聞けた. 「藤の花咲けども鳴かぬほととぎす雲のいずこに迷いけるらむ」を思い出す季節でもある.

6月12日の朝日新聞の夕刊に, 昭和基地で撮影した「幻の日の出」なる写真が出ていた. 南極は白夜と反対で極夜の最中だが, 地平線の直ぐ下にいる筈の太陽が蜃気楼で地上に見えたという図である. 地平線の下ですれすれだとそういうことも十分ありうる.

遥か昔「南極のスコット」という映画を見た. Scott隊が南極からの帰途, 全員遭難した話である. (http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Falcon_Scott) その後極夜になり, 冬至が近づいて再び太陽が戻り, 捜索隊によって遭難の様子が判明する話だ. アナウンスでは「太陽が戻ってきた」といったと記憶するが字幕には「夏が来た」とあった.

北半球の夏は南半球の冬だというのか, 南半球の冬は暑く, 夏は寒いというのか浅学にして知らない. (私は後者の説を支持する.)

夏至は24節気の1つ. 森口繁一先生の「数理つれづれ」に24節気間の時間の図がある. 先生が描かれた方法は分からぬが, 同じようなものを描いてみた. 本年の24節気の月日時分を天文年鑑から取り込んだのが以下のデータである.


( 0 22 15 8 '冬至) ( 1 6 8 25 '小寒) ( 1 21 1 44 '大寒)
( 2 4 20 0 '立春) ( 2 19 15 50 '雨水) ( 3 5 13 59‘啓蟄)
( 3 20 14 48 '春分) ( 4 4 18 46 '清明) ( 4 20 1 51 '穀雨)
( 5 5 12 3 '立夏) ( 5 21 1 1 '小満) ( 6 5 16 12 '芒種)
( 6 21 8 59 '夏至) ( 7 7 2 27 '小暑) ( 7 22 19 55 '大暑)
( 8 7 12 16 '立夏) ( 8 23 3 2 '処暑) ( 9 7 15 14 '白露)
( 9 23 0 45 '秋分) (10 8 6 57 '寒露) (10 23 10 9 '霜降)
(11 7 10 11 '立冬) (11 22 7 44 '小雪) (12 7 3 2 '大雪)
(12 21 21 4 '冬至)

これをユリウス日を計算するプログラムに入れ, 差を取ると(単位は日)

14.720139 14.721527 14.761112 14.826389 14.922916 15.034028
15.165278 15.295138 15.425001 15.540277 15.632639 15.699306
15.727778 15.727777 15.681251 15.615277 15.508334 15.396528
15.258333 15.133333 15.001388 14.897917 14.804167 14.751389

となり, これをpostscriptで図にする.




地球の軌道が真円でないので, 太陽が(地球が)黄道上を移動する時間が変わるからだ. ところで夏至では昼間の時間が一番長いが, 日出, 日入が一番早く, また遅いのは夏至の日ではない. この説明は情報処理学会誌45巻3月号の編集系独白に書いたので, 読まれた方もあろう.

2008年5月30日金曜日

天文時計の鐘

N.J.A.Sloaneの書いたMy Favorite Integer Sequencesという記事を見つけた. 面白いことがいろいろある中で, あ!と思ったのは

1, 2, 3, 4, 32, 123, 43, 2123, 432, 1234, 32123, 43212, 34321, 23432, 123432, 1234321, 2343212, 3432123, 4321234, 32123432, 123432123, 43212343, 2123432123, 432123432, 1, 2, 3, 4, 32, 123,

の数列であった.

説明によると, これはプラハの天文時計(astronomical clock)の鐘の鳴り方だそうだ.

数列の先頭からこのように, 1時には1; 2時には2,...,と鳴り, 正子(0時)には24時として432123432と鳴って, 1時には再び1と鳴る.

この数列の特徴は,

a) n 時に鳴る数列の和はちょうど n になる.

b) カンマを外してみると, 数列は基本パターン"123432"の繰り返しである.

ということだ.

1,2,3,4と書いてあるが, 鐘は1つで, KnuthのTAOCP, v4f2, 7.2.1.2にあるCambridge Forty-Eightのような, 4つの鐘をある順列で鳴らすのではない.

1は1回, 2は2回鳴り, 5時の32はまず3回鳴り, 次に2回鳴る. それを足しながら数えれば時刻が分かる仕掛けだ.しかし24まで間違えずに数えるには, 忍耐もいるであろう.

なぜこういうことが出来るか.

実は, この不思議な数列は24まで続くだけでなく, どこまでも作れる. 計算機が手元にあれば, お茶の子だ.

(1 (1))
(2 (2))
(3 (3))
(4 (4))
(5 (3 2))
(6 (1 2 3))
(7 (4 3))
(8 (2 1 2 3))
(9 (4 3 2))
(10 (1 2 3 4))
(11 (3 2 1 2 3))
(12 (4 3 2 1 2))
(13 (3 4 3 2 1))
(14 (2 3 4 3 2))
(15 (1 2 3 4 3 2))
(16 (1 2 3 4 3 2 1))
(17 (2 3 4 3 2 1 2))
(18 (3 4 3 2 1 2 3))
(19 (4 3 2 1 2 3 4))
(20 (3 2 1 2 3 4 3 2))
(21 (1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(22 (4 3 2 1 2 3 4 3))
(23 (2 1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(24 (4 3 2 1 2 3 4 3 2))
(25 (1 2 3 4 3 2 1 2 3 4))
(26 (3 2 1 2 3 4 3 2 1 2 3))
(27 (4 3 2 1 2 3 4 3 2 1 2))
(28 (3 4 3 2 1 2 3 4 3 2 1))
(29 (2 3 4 3 2 1 2 3 4 3 2))
(30 (1 2 3 4 3 2 1 2 3 4 3 2))

そこでどこかに繰り返しパターンがないかと, 図を描いてみた. すると1から15までのパターンと16から30までのパターンが殆んど同じになる. 16からは基本パターン1,2,3,4,3,2を1サイクル余計に持っているだけである. 従って31からも同じになると判明した.



10,11,12,13,14はそれぞれ15のcomplementの5,4,3,2,1と相補のパターンだし, 6と9, 7と8も相補パターンなことが分かる.

24がちょうどパターンの最後で終るのも幸いしている. 1から24までの和が300で基本パターンの和15の倍数なので, 当然だが.

1,2の繰り返しでも同様なことが出来ることが判明した.

(1 (1))
(2 (2))
(3 (1 2))
(4 (1 2 1))
(5 (2 1 2))
(6 (1 2 1 2))
(7 (1 2 1 2 1))
(8 (2 1 2 1 2))
(9 (1 2 1 2 1 2))
(10 (1 2 1 2 1 2 1))
(11 (2 1 2 1 2 1 2))
(12 (1 2 1 2 1 2 1 2))
(13 (1 2 1 2 1 2 1 2 1))
(14 (2 1 2 1 2 1 2 1 2))
(15 (1 2 1 2 1 2 1 2 1 2))

しかし, 1,2,3,4,3,2ほど劇的ではない.

2008年5月28日水曜日

火星

火星探査機がパラシュートで降下するのを, 他の火星周回衛星から撮影したニュースには驚いた.

いかにも画面を眺めて, 今だ! とシャッターを切ったかのようなシーンだが, そんなことは可能だろうか.

火星は昨年12月に衝の位置(火星, 地球, 太陽の順に並ぶ)にあり, 地球, 火星間の距離は0.6天文単位, 今年12月に合の位置(地球, 太陽, 火星の順に並ぶ)になり, 2.6天文単位だ. 今はその中間で, 多分2天文単位くらいであろう. 1天文単位は光で8分ちょっとの時間なので, そう考えると画面を眺めて地上から制御するのはまったく無理と分かる.

NASAのページを見ると, やはりフェニックスの軌道情報を送り, プログラムで制御して撮影したとあった. それにしても相当な離れ業である.

Camera pointing for the image from HiRISE used navigational information about Phoenix updated on landing day. The camera team and Phoenix team would not know until the image was sent to Earth whether it had actually caught Phoenix.

さらに普段は火星に向けて下を向いているカメラを, 斜め方向を撮影するため, 衛星の向きも変えたという. 見事な写真が送られてきたときの, 担当者の喜びが想像できる.

2008年5月27日火曜日

火星

太陽系の中で, 地球と火星は双子の惑星といわれる. 公転周期は地球が1年, 火星が2年. 公転半径は地球が1天文単位, 火星が1.6天文単位. (2年の方を知っていれば, Keplerの法則: 公転周期2/公転半径3=一定 から

(expt (expt 2 2) (/ 1 3)) => 1.5874010519681994)

だが, Bodeの法則を知っていれば距離は一発だ.)

この火星には火星人がいると思われていた. 運河らしいものが見えるからだ. 運河かどうかは分からないが, 火星の表面には多数の筋が見え, それが十字形で交差している. 一方, ガラスの割れ目など自然に出来る筋は, 新しい割れ目が既に割れている割れ目を横切らないから丁字形になる.

というわけで, 火星人襲来というSFはいくつかあるらしい. 私が小学生のころ愛読したのに, 海野十三の「火星兵団」がある. ある晩, 千葉県印旛沼の辺りに火星からのロケットが着陸. 火星人が地上に降り立つ.

H.G.Wellsによると, 火星人は, おむすびのような頭から, 糸のような足が生えている, 細い足を持つ蛸のようだと思われていた. 重力が小さいから細い足で支えられる. 食べ物は苔みたいだから, それをなめる口はおおきい. 空気が薄いので音声は伝わらず, 目が口のようにものを言うので, 目もおおきい. 耳は退化した.Wellsはそういう火星人を想像した.

私が小学生のころ, 上野の科学博物館で, こういう火星人を描いた絵はがきを売っていた.

「火星兵団」によると, 火星にくらべて空気の濃い地球では, 潜水服か宇宙服のような容器を着て, 地上で活躍した.

火星人は「ヒュウーヒュウープクプク」というような言葉を喋る. そのままでは日本人には理解出来ぬが, 彼らはすでに日火両語の音声翻訳機を持っていて, 一方から火星語を入れるともう一方から日本語が出る. 逆ももちろん可能.

まぁそういう話であった.

さて今回, NASAの火星探査機フェニックスが火星の北極近くに着地(着火?)したというニュースだ. 送られてきた火星の地上(火上?)の光景は, 運河は見えねど, 想像とあまり違わない. (いちいち「地」を「火」と言い直すのも面倒だねぇ.)

こう描きながら想像するのは, 火星人はフェニックスをみて, 「これが地球人か」と思ったかということだ. 「地球人襲来」というニュースが流れているかと夏の夢を楽しんでいる.