2019年2月4日月曜日

年のうちの春

古今集に「年のうちに春は来にけり一年を去年とや言はむ今年とや言はむ」という和歌がある. 旧暦の正月になる前に立春が来たということで, これだけ読むとこの現象は珍しいのかと思いがちであるが, 旧暦の月名の決めかたからすると, 立春 < 旧正月となる確率は1/2程度である.

旧暦の1ヶ月は天体の月の朔から次の朔の前日までの約30日で, 冬至を含む月を11月とする. 従って冬至が11月のちょうど中間にあると, 翌月の12月の終りまで45日あり, そこが丁度立春になるから, 立春と旧正月が一致するわけだ.

冬至が11月の真ん中より前半に来ると, 立春は12月末より前で, 12月中に来ることになり, 年のうちに春が来てしまう.

そこで2000年から2019年までの旧正月の日付を調べてみた.
    2000 2/5  〇
    2001 1/24 
    2002 2/12 〇
    2003 2/1
    2004 1/22
    2005 2/9  〇
    2006 1/29
    2007 2/18 〇
    2008 2/7  〇
    2009 1/26
    2010 2/14 〇
    2011 2/3
    2012 1/23
    2013 2/10 〇
    2014 1/31
    2015 2/19 〇
    2016 2/8  〇
    2017 1/28
    2018 2/16 〇
    2019 2/5  〇

この〇印が旧正月が立春2/4より遲い年である. 19年のメトン周期に10回あるから, 半分という確率は大体合っていた. なお上の表から1年立つと11日早まるのも読み取れる.

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