Archimedes多面体13種のうち, rhomb(斜方とか菱形)という形容詞のつくものが2つある. 斜方立方八面体と斜方二十十二面体である. 何ゆえに斜方といわれるのか.
これらの図に示すように, この2種類の多面体には, それぞれ3種類の面がある.
斜方立方八面体では, 青は元々の立方体の面, 緑は正八面体の面である. 斜方二十十二面体では, 青は元々の正十二面体の面, 緑は正二十面体の面である.
では, それぞれの赤の面はなにか.
赤の面を延長して, 緑の面の上方での交点を決め, 赤の正方形に外接する菱形を考えることが出来る. 赤は元々そういう面の多面体の面である.
この多面体がどちらも菱形になるので, 斜方といわれる所以である. つまり, 斜方(赤)立方(青)八(緑)面体, 斜方(赤)二十(緑)十二(青)面体という命名であったわけだ.
ではその斜方多面体を描いてみよう.
上は斜方立方八面体である. x, y, zの対称軸も描いてある. z軸(青)のまわりに少し回転し, y軸(緑)のまわりにも僅かに回転したようになっている.
そのz軸, y軸まわりの回転をやめ, x軸方向から眺めたのが, この上の図だ. そこで, 最初の赤い正方形を含む面を考えてみると, この図の赤線で示す菱形が得られる. その座標が分かれば, 次の図が描けるわけだ.
これは, 対角線の比が1:√2の菱形が12個で構成されているので, 斜方十二面体(rhombic dodecahedron)という.
斜方二十十二面体の方は, 面が多いせいか, 多少手ごわい.
これが元の斜方二十十二面体で, 上と同様にz軸, y軸について回転してある.
回転角を0とし, x方向から眺めると, このように見えるはずだ. 赤線はそこにかぶせた菱形である. この方は, 菱形30枚で構成され, 斜方三十面体(triacontahedron)という.
菱形の対角線の比は1:φ(黄金比)である.
同一の菱形だけで出来る多面体はこの2つだけらしい. またKeplerはこの2つの多面体のあることを知っていたといわれる.
2011年8月28日日曜日
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