2012年7月10日火曜日

多面体描画道楽

星形正多面体の次の対象は, 「大十二面体」である. 前回は「星形大十二面体」であった. 「大十二面体」と「星形大十二面体」があって, 相並んでいるのは, ノーメンクレイチャとしてはいかがかと思うが, 一松先生の本がそうなので仕方がない. 「星形大十二面体」と「なんとか大十二面体」といいたいところだ. その(星形でない)大十二面体の, 「正多面体を解く」の記述はこうだ. 「正二十面体の頂点に隣る5個の頂点のなす正五角形をそのまま面に採る.」 この上なく簡潔至極の表現だ. 上が正二十面体である. その頂点0に隣る5個の頂点のなす正五角形は, 下の図にオレンジ色で示す面1,2,3,4,5になる. これを「0に隣る面」ということにしよう. (その辺には小さく0と付記した.) さらに頂点23に隣る頂点の面を作ると のように2に隣る面0,1,10,11,3と, 3に隣る面0,2,11,7,4が得られる, ところで0に隣る面と2に隣る面は13で交わるからその交線は1から3へ引いた線である. 同様に0に隣る面と3に隣る面は24で交わるからその交線は2から4へ引いた線である. さらに2に隣る面と3に隣る面の交線は0から11へ至る. 従ってもとの正二十面体の面の1つの三角形0,2,3の中に3つの交線が現れる. その交点を下の図のようにPとする. 同様に三角形0,3,4の中に3つの交線が現れる. その交点を下の図のようにQとする. この2点の座標が決まると, 大十二面体を描くことが出来る. それがこれだ. この正多面体はPQの所が凹んでいて, 水が溜まる形である. 右下の頂点3を中心とした昔の陸軍の徽章のような星形がみられる. 3の星の1つの枝は0の星の枝でもあるから, この枝は2等辺三角形である. ところでPQの座標の計算法だが, 正二十面体をx軸方向から見た図を描くと になる. この図で1, 10短い方の辺の長さを2とすると, 図の 0, 6の長さは1+√5. Oから0までは(1+√5)/2. 0, 3も1なので, これらからP, Qのz座標(3+√5)/2, (√5-1)/2が得られる. これらを解くには (a+b√5)×(c+d√5)のような計算が頻発するから, この積がe+f√5であるとして, a,b,c,dからeとfを求めるプログラム
(define (mult a b c d)
 (list (+ (* a c) (* 5 b d)) (+ (* a d) (* b c))))
を用意すると仕事がはかどった.

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