2011年7月3日日曜日

八方睨みの猫

ご近所の知友 金子和夫氏の個展があった. 鉛筆画の「八方睨みの猫」が評判である. チラシからその一部をスキャンさせていただいた. この猫ちゃんには, 金子家で会ったことがある. 可愛い猫だ.



ところで八方睨みとは, この猫をどの方向から見ても, 猫は見られている方を向いているように見えるということである. このチラシを, 右左に傾けても, 上下から眺めても, 確かに視線はこちらを向いている.

実はこの猫だけでなく, 多くの肖像画の目付きも, 大体はこうなっている.

歩きながら月をみると, 歩くにつれて, いつまでも月が付けて来るように, 絵の前を通り過ぎても, 肖像の眼の視線はずーっと自分を追ってくる. 私は若い頃は, これを不思議に思っていた. また, それについて, おそらく黒目が眼の中央にあるからだろうと想像してた.

大学院生の頃, 研究室でこれが話題になったことがあり, 高橋秀俊先生は「黒目が真ん中だから」とこともなげにいわれ, 私としては, 決着がついている.

この猫の黒目は, 上下左右の真ん中にある. 従って四方八方を睨むことになる.

私は, ご存じのようにPostScriptで絵を描くのが大好き人間だ. で, さっそくやってみた. それぞれの絵では, 上から黒目が右より, 中央, 左よりに描いてある. やはり中央のが八方睨みに見える.



横方向から見ても, (つまり横方向を縮小しても)



のようになろう. 真昼の猫の眼のように, 細くなっても同じだろうか.

1 件のコメント:

oomiya-neko さんのコメント...

八方睨みの猫の原理は、「猫の黒目が真ん中にあるから」との解説ですが、現象の一部を説明するだけで八方睨み効果を理論づけていません。
なぜなら、猫の身体全体も八方睨み状態であり、特に木の桶から前方へ出している前足の効果ははっきりしています。
また、猫の目を隠して眺めてみても頬から髭や鼻やあごなどが八方睨み状態なので、黒目が真ん中にあることだけでは説明にならないと思います。