2011年1月15日土曜日

乗算表

乗算の九々は一旦覚えてしまえば後は何の道具もいらないはずだが, 「Napier の骨(Napier's Bones)」のような乗算用具もあるから, 九々を諳じない人も多いかもしれない.



これは以前自作したNapierの骨で, 中央に3本, 2と5と6の棒を置いてみた. 見ての通り, 各棒にはその段の九々が書いてある. 256を4倍するには, 左のIVの行に注目. /8 2/0 2/4になっている. 右端の4から, 積の1の桁は4. その分子の2と, 左隣りの分母の0を足し, 10の桁は2. さらにその分子の2と, 左隣りの分母の8を足し, 100の桁は10. すなわち1024が得られるの図だ.

つい先頃, 「Genailleの棒(Genaille's Rods)」というものがあると教わった. これは九々を図にしたものである.

6×8は以下のとおり.



左に6, 上に8と見出しがあるので, 6×8なのが分かる. 中央の箱の右に上から890123とあるが, 一番上の8が積の1の桁の8を示す. そこから左へ楔状の影があり, その先に4とあるのが積の10の桁の4を示す. その4の上と下の012...は繰上げの数で, 10の桁が4というのは, 繰上げが4と言うことだ. 一方1の桁の8の, その4の高さに2があるのは, 下から4の繰上げがあると, 6×8に繰上げを足すと, 1の桁が2になること, その左の楔の先が5になっているのは, その時の繰上げは5であることを示す.

私も小学生の上級になると, 繰上げ4を思い出しながら, ロクハチゴジュウニなどと唱えたものだが, そういう乗算表になっている.

次の図は, 4×256を示す.



2と5と6の棒を並べ, 4の段を見る. 6の棒の4の段の一番上の4から出発し左へ進む. 楔の影に入ったら, 楔の先に進む. そして通過する数字を読み取る. 従って, 4×256は下の桁から, 4,2,0,1なことが分かる.

これで分かるように, 被乗数は何桁でもよいが, 乗数は1桁である. また被乗数に同じ数字があると, それだけ同じ棒が必要で, そこにこの種の道具の限界が存在する.

棒による乗算とは別に, 棒を順に並べると, 九々の表が出来る. それが下の図だ. 九々の範囲は2から9だが, 被乗数に0もあることから, 棒には0も1もある.



棒に書いてある乗数は, Wikipediaの図などでは1から始まっているが, 乗数1はいらないので, 2から始まるのも目につく. この表も2から9である.

インターネットで探していたら, 除算表というのも見つけた. これも面白い.

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