2009年5月9日土曜日

素数定理

2009年5月7日の素数定理のブログに, 青赤の線で素数分布の絵を描いた. それを描いた自分自身でも, その図で意外と思うのは, xが5万くらいのところで, どちらの線でも振幅が急に大きくなることだ. 素数の分布が変わるか? と一瞬思ったが, (まさか!) 青と赤の線で振幅の変わるxの位置が違うというのも怪しげなことである.

その原因を調べようと, 違う範囲の図を描いてみたら, またまた妙なことに, この振幅の変わる位置が, そのたびに違っていた. これはどうもPostscript(のシミュレータgs)に原因があるのではないか, というので理由を考えている. (まだ分かっていない.)

とりあえず, 描画の線幅を1から, 0.2に変えてみたら, お! 実にちゃんとした図が描けたのである. 0.5だと振幅の変化が相変わらず見られたが, うまくいった0.4で描いた図を下に示す. 縦の倍率は前回の5倍にしてある.

振幅の変化もなく, 赤い線が美しく1に接近しているのは感激だ.

さて, 傾向がよく見えるのはGaussの青線の方で, xが素数だとπ(x)が増えるので, 線は右上がりになり, 合成数だと増えないから, 右下がりになるのがよく分かる. つまり2から始まって, 3へは上昇, 4へは下降, 5で上昇, 6で下降, 7で上昇の後, 8,9,10で下降するのが見える. その後多少顕著なのは, x=100の先で, 青も赤も急上昇する. これは前回のQ0の左の方の816d, 二進では1000 0001 0110 1101.
このビットは右から97, 99, 101, 103, 105, 107, 109, 111, 113, 115, 117, 119, 121, 123, 125, 127に対応し, 赤字が素数で, 97から113で上昇が見られるのである.

素数分布で話題になるのは, 大きい方での双子の素数と, ギャップである. 偶数が邪魔するので, 2つの続く整数が素数のことはないが, 1つ置きになら存在でき, それがどの辺まで分かっているかとか, どの辺にずーっと素数のない区間があるかとか, 関心が持たれている. TAOCPのMMIXでの素数表の解答のところには, このようなプログラムを使い, 418032645936712127とその次の素数の間に, 1370のギャップを見つけたと書いてある.

1 件のコメント:

NISHIO Hirokazu さんのコメント...

西尾泰和です。
PostScriptでパスの処理がどう行われているか詳しくないのですが、線幅を狭めると消滅するという所からこれを連想しました:
http://gyazo.com/1b43d6b795619cbe27ef68640197a03c.png
GIMP User Manualからの引用です
http://www.linuxtopia.org/online_books/graphics_tools/gimp_user_manual/en/gimp-path-stroke.html